はじめに

イルカの群れ

スポーツの種類はたくさんありますが、夏場を中心に楽しめるのが、マリンスポーツです。興味があるならば、ダイビングは外せないでしょう。色んな専門用語もありますし、必須スキルもありますのでビギナーはまずここから覚えなければなりませんね。このWebサイトでは「マリンスポーツの王様・ダイビングに関して知っておきたい基礎知識集」をまとめております。

ダイビングの基本スキルとは?

円陣になってダイビング前の運動

マスククリア

マスクの内部に入ってきた海水を鼻息を使うことでマスクの外に追い出すテクニックです。少し上を見ながらマスクのフレームを掴みましょう。鼻から息を出すことで効率的にマスク内部にエアが行き渡ります。マスクの下の部分から勝手に海水が出ていってくれます。

マスクの下側を解放しながらするとスムーズにゆきます。マスククリアをするときに、呼吸を忘れてしまうビギナーも多いです。深く大きい呼吸を意識するようにしましょう。

フィンキック

大きくゆったりと上下に足を動かすのが「タテキック」ですね。水泳の平泳ぎをしているように左右に動かすのが「ヨコキック」。あおり足と呼ばれることもあります。ポイントとしては、フィンで水を捉えるように意識すること。しなやかに足を動かすと上手くゆきます。

(1)足首のしなりを意識すること(2)膝を曲げないこと(3)太腿を大きく動かすこと……などを意識しましょう。イメージ的には足首にボールがあると考えて、そのボールをフィンをしならせて後ろに蹴り出す感じ。

中性浮力

水中で浮きも沈みもしないニュートラルな状態のことを言います。適正なウエイトとBCの操作や呼吸をしっかりすることが大事です。BCとはBuoyancy Compensatorの略。日本語にすると「浮力調整装置」です。ダイバーは3つの浮力を理解することが大事です。

1番目は「装備浮力」です。
ダイバー自身とダイバーが身につけている装備から生まれる浮力のことです。プラス浮力になるのがウエットスーツですね。マイナス浮力になるのがタンクです。

2番目は「意思浮力」です。
自分の意思で生み出すことができる浮力のことで、BCの吸排気や呼吸・フィンキックなども含まれます。

3番目は「変動浮力」です。
これは水圧の変化によって変動する浮力です。水深が増せば増すほどウエットスーツの中の気泡が収縮します。浮力が減ってくるのです。逆に浮上していけば空気が膨脹してゆき浮力が増えます。

適正ウエイトでしっかりと浮力を調整しましょう。水深の変化に合わせてBCに吸排気をしてください。常に安定した呼吸で浮力をコントロールすること……これが中性浮力のポイントになります。

ハンドシグナル

水中では、言葉をしゃべることができません。だから手を使ってバディーや仲間に意思を伝えなければなりません。ハンドシグナルをしっかりと覚えておかないと自分の意思が伝えられません。また、相手が何を伝えないのかも理解できませんから注意しましょう。

耳抜き

潜降するにつれて水圧によって鼓膜が内側に押されます。これを元の状態に戻すテクニックのことです。方法としては(1)鼻をつまむ(2)唾を呑み込む(3)あくびを噛み殺すなどがあります。耳抜きをするタイミングですが、違和感を覚えてからでは遅いです。水深の浅い間から小まめに行いましょう。

緊急手順

足がつったりエアが切れたりなど、緊急事態の対処方法も練習しておきましょう。意識不明になったダイバーの救助手順なども練習しておくと緊急事態での対応もできます。

ダイビングに大切なフィンワーク

沈没船を探索するダイバー

がむしゃらにキックしても前になかなか進まない経験をしていませんか。ガイドに置いていかれたり、砂地で砂を巻き上げてしまったり……。ダイビングのスキルは色々ありますが、特に苦手意識が強いのが「フィンワーク」です。大切菜ポイントとしては、自分の合ったフィンを選ぶかどうかです。

どういった器材にも言えるのですが、特にダイビングのフィンワークではジャストフィットしているかどうかが、最重重要課題になります。靴が自分の足と合っていないと靴擦れをします。ダイビングの場合は「フィンずれ」をしてしまいます。また、フットポケットがキツイと足が痛くなったりします。

フィンを購入する場合はブーツを履いた状態で試着をしましょう。緩すぎてもいけませんし、キツすぎてもいけません。ピッタリフィットしたものを選びましょう。形状にもよりますが、ブレードの面積が広ければ広いほど、また硬ければ硬いほど脚力が必要になります。ブレードの堅さ・幅・長さなどはインストラクターや先輩のダイバーに相談して購入するようにしましょう。では、フィンワークの秘訣をご紹介してまいりましょう。

アップ&ダウンストローク

もっとも基本スタイルで最初に学ぶのがコレになります。ポイントは足を上下にゆっくりと動かすこと。足の甲で水を押さえるようなイメージで足を振り下ろしてください。足を振り上げる場合は、爪先に力を入れると上手くゆきます。これをマスターすればフィンの推進力を最大限に活用できます。

水泳のバタ足のようにするのではありません。太腿から下の足全体を使ってゆっくりと動かすようにしましょう。このときに膝を曲げないほうがフィンに力が入りやすくなります。自転車こぎみたいな動きになると推進力がまったく伝わりませんので注意してください。

あおり足

これも基本テクニックですね。水泳の平泳ぎのイメージです。さきほどのアップ&ダウンストロークを使うと、珊瑚礁や砂地のすぐ上を泳ぐときに上手くゆきません。フィンの先で珊瑚を折ってしまうとか、砂を巻き上げてしまいます。しかし、カエルのように泳ぐあおり足ならば、水底と平行にフィンが動きます。周囲の環境に影響を与えにくいのです。インストラクターは水中で移動するときに、あおり足になっているのは、それが理由です。

砂を巻き上げない着底・離底方法とは?

最近は自然保護のために、着底が禁止になっているエリアも多いです。しかし着底OKのスポットならば、砂を巻き上げず生物に影響を与えないようにしたいですね。秘訣としては、最初に手をついて、着底しやすい場所を物色します。手の平全体をつけるのではなくて、人差し指だけを水底につけるようにしましょう。

ゆっくりと状態を下げるようにして、フィンの先を静かに水底につけます。そして、丁寧に膝を降ろして着底し状態を安定させましょう。このようにすると、ほとんど砂を巻き上げることなく着底できます。

離底をするときも砂をまきあげないようにしましょう。注意深く離れるようにしてださい。手順は着底するときの逆の順番でいいでしょう。

エコなフィンワークを心がけてください。

ダイビングで中層をできるだけ早く泳ぎたい場合があります。その場合はアップ&ダウンストロークを利用します。珊瑚礁や海底すれすれの場所を泳ぐときはあおり足がいいです。場所によってフィンワークを変えるのが理想的です。

トレンドになっているサンドマウントダイビング。これは環境に悪影響を与えないように、できるだけアップ&ダウンストロークをしないことになっています。フィンワークの基本はあおり足に似ていますが膝を折った状態でフィンを動かしながら泳ぎます。この状態は理想的ですから、普通のダイビングでもこのようなフィンワークを基本にしようという動きもでてきています。環境を壊さない・影響を及ぼさない泳ぎ方をしたいですね。

ダイビングを楽しむ重要なスキル「潜降」のポイント

渦を巻く魚の群れを見ているダイバー

スノーケリングで水中に潜る場合とは違ったテクニックが必要です。潜りたくても潜れないとか、潜降するときの姿勢が上手にコントロールできないと慌ててしまいます。せっかくダイビングを楽しもうとしていても残念な結果になります。ちょっとコツを覚えておけば、綺麗な潜降スタイルをマスターできますよ。

潜降する前のプロセスとは?

(1)潜降するサインを出します(2)自分の位置を確認してから潜降をはじめましょう(3)スノーケルからレギュレーターに交換します(4)潜降開始時間を確認します(5)BCのエアを抜いて潜降します

ダイビングでは排気のポーズがポイントになります。

ダイビング初心者やブランクがあるダイバーにとって、一番緊張するときが潜降です。大切なことは基本の姿勢をマスターすることでしょう。まず、足を下にした立った姿勢になって水面に顔だけを出した状態を作りましょう。その姿勢をキープしたまま、足から潜降する方法が「フィートファースト潜降」です。

パワーインフレーターホースを左手に持ってください。「排気ボタン」を押してBCの中の空気を十分に抜いてゆきましょう。BC内の空気をしっかりと排出。息をしっかり吐けば自然と身体は沈んでいくように進みます。このときに真っ直ぐに沈むようにするには、フォンの先をピーンとまっすぐにしておくことです。

簡単に言ってしまいますが、慣れないうちは上手くできません。ダイビングスポットでもロープ潜降ができるところを選ぶといいでしょう。ビギナー向けの場合は、そんなところが多いです。潜降するときに、多少は安心して潜ることができるでしょう。

ロープにつかまりながらならば気持ちに余裕もできます。ゆっくりと耳抜きをしながら、様子をみて潜れるのです。ロープ潜降ならば、水中に入っても姿勢が崩れにくいですから安心できます。

潜降する場合のポイントですが、肩をしっかりと上げて排気するといいでしょう。この排気のポーズが上手く潜降できるかどうか決まります。BCのパワーインフレーターを持っている左手をしっかりと上にあげるようにして「排気ボタン」を押すと上手くゆきます。

上手に潜降できないダイバーに共通しているのがパワーインフレーターホースをしっかりと上げきれていないケースがほとんどです。キチンと潜降する基本のポーズをレッスンでマスターしておきましょう。そうすればBC内部の空気をしっかりと排気すれば大丈夫です。

「腕を上げる」というよりは「肩を上げる」ことを意識してみればいいのではないでしょうか。そうすればスムーズに空気が抜けてくれます。このあたりは、なかなか言葉で説明しにくいので、くり返し練習をして身につけるしかありません。それでも潜降しにくい場合があるでしょう。

多分、緊張しすぎているのもあります。慌てて息を吸いすぎている場合もあります。力を抜き加減にして呼吸を「フーッ」と吐くことを意識しましょう。何度も何度もシミュレーションして練習しましょう。

ダイビングは基本的なことを疎かにすると全く上手くゆかなくなります。慌てることはありません。基本のテクニックをしっかりしておかないと水中でトラブルになることあります。できたふりをするのが一番良くないです。しっかりと自信を持てるまで繰り返し練習をしてください。

まとめ

暗い海でダイビングする女性

いかがでしたでしょうか?
マリンスポーツの王様・ダイビングに関して知っておきたい基礎知識集としてご紹介してまいりました。これで基本スキルは理解できましたが、実際にはやってみないとわかりませんよね。これ以外にも随時情報を更新して別ページでご紹介しますので参考にしてください。

マスククリアのスキルも必須ですから別ページでご紹介しておきます。まずは、しっかりマスク選びをすることからはじめましょう。